こんにちは。グルコースの2026年度新卒です!
この度、2026年度日本CTO協会 新卒合同研修を受講させていただきました。最新のクラウドアーキテクチャから AI の高度な活用方法、ハードウェアの物理構造、さらにはチーム開発におけるファシリテーションまで、次世代のエンジニアに求められる広範な知識とスキルを網羅した学びの多いカリキュラムでした。
本稿では、全8回にわたる研修の要点とそこからの学びを研修レポートとして紹介いたします。
■ 第0回:AWS JumpStart研修(スケーラブルハンズオンおよびアーキテクティング課題)
第0回では、AWSソリューションアーキテクト主導のもとクラウドネイティブなWebアプリケーション構築のハンズオンとECサイトのアーキテクチャ設計課題に取り組みました。1日目はチームでのモブプログラミングを通じて可用性の高いコンテナ構成を実装し、IaCによる環境構築自動化や障害復旧・監視の仕組みを体験しました。2日目は架空の企業を題材にECサイトのインフラ設計に取り組み、将来のスケールを見据えた構成やマネージドサービスの活用について議論を深めました。
業務でAWSを利用してはいたものの本研修で基礎的な部分から体系的に学び直すことができ、担当プロジェクトへの理解もより深まりました。また経験豊富なメンバーとの対話から発展的な観点にも触れられ、クラウドの全体像を掴むことができ大変勉強になりました。
■ 第1回:「関係性の質を上げる」ファシリテーションの探究
第1回は、組織やチームの知識創造活動を支援するファシリテーションの本質を講義とグループワークの2部構成で学びました。会場はアマゾンウェブサービスジャパン合同会社で、エレベーターがダンボールのデザインになっており細かいところまでアマゾンらしさが徹底されていて企業のこだわりを実感しました。
グループワークで「関係性の質を高める場づくり」をテーマに、お互いをもっと知りたくなる自己紹介を考え披露し合いました。本当の自己紹介と嘘の自己紹介を用意してどちらが本当かを当ててもらう形式や、自分のキャッチコピーを考えて発表し聞き手が質問しながら深掘りしていく形式、さらには生まれてから今までを一枚の人生グラフに描いて紹介する形式など、各チームがそれぞれ工夫を凝らしていました。クイズ感覚や対話、視覚的な表現を活かした仕掛けが多く、自然と相手の話に耳を傾けられる場になっていたのが印象的でした。
■ 第2回:Google Cloud で実現する次世代のクラウドネイティブ・アーキテクチャ
第2回では、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社にて、Google Cloud のさまざまなサービスや、最近のAI開発の動向について講義を受けました。
個人的に面白いと思ったのは、Google のプロダクトそのものよりも、それを成立させている計算基盤でした。TPU は Google が自社開発している機械学習特化のプロセッサで、生成AIのような重い計算を支える基盤の一つです。TPU について講義後に性能や事例を調べてみたところ、想像以上にスケールが大きくて純粋にすごいと感じました。
懇親会では、Google オフィスでビュッフェ形式の食事を楽しみながら、他社の新卒エンジニアの方々と交流しました。Google Cloud に関するクイズ大会も行われ、参加者のスコアがリアルタイムで表示されるなど、講義とはまた違った形で楽しく Google Cloud について学びました!

■ 第3回:エンジニアの働き方・キャリアとその変化
第3回では、株式会社 LayerX にて、AI時代におけるエンジニアの働き方やキャリアについて学びました。
講義では、キャリアを投資として捉え、時間・体力・知識・経験・信用といった自分の資産をどう配分するかを考える視点が印象的でした。また、チームで成果を出すためには、困っていることを言語化して伝えることや、意思決定前に意見を出して決定後は方針にコミットする姿勢が重要だと学びました。最後に生成AIの発展により、今後のエンジニアの役割がどのように変化していくのかについてもお話しいただきました。講義中には Slido を用いた質問回答時間もあり、参加者から寄せられた疑問への回答を通じて、キャリアや働き方についてより具体的なお話をお聞きすることができました。
話の内容は正直出来すぎていて、そのまま真似できる気はしませんでした。ただ、時間・体力・知識などの資産を運用・配分しているという意識を持って意思決定することで、自堕落に流していた行動を少し良いものに変えられるかもしれないと感じました。
■ 第4回:OpenAI プラットフォーム概要と Codex ハンズオン
第4回では、OpenAI Japan 合同会社による「OpenAI プラットフォーム概要と Codex ハンズオン」に参加しました。当初はサイボウズ株式会社のオフィスで開催予定でしたが、台風の影響でオンラインでの開催となりました。
前半では、Codex の基本的な使い方について講義が行われました。Codex は、自然言語で指示を出すことで実装や修正、調査、テスト作成などを支援する AI コーディングエージェントです。単にコードを補完するだけでなく、既存のコードベースを読み取ったうえで変更方針を考えたり、実装後にテストを実行したり、開発作業の広い範囲を任せることができます。
後半では、実際に Codex を使ってアプリケーションを作成するハンズオンを行いました。オセロの盤面をもとに局面を評価し、おすすめの手や見直しポイントを教えてくれるオセロコーチングアプリを20分ほどで作ることができました。

普段から業務や個人開発で Claude などのコーディングエージェントを使っている身としては、Codex のレスポンスの速さに驚かされました。それでいて不正確なわけではなく、開発の快適さに魅力を感じました。第7回「ISUCON研修」でも Codex が大活躍しました。
■ 第5回:サーバー解体研修
第5回では、GMOインターネットグループ株式会社による「サーバー解体研修」に参加しました。
前半では、Dell Technologies の方によるサーバー基礎講座が行われました。CPUやメモリ、各種コントローラーといった構成部品の役割や、高い信頼性を実現するための冗長化の仕組みを学びました。個人的に自作PCや研究室のサーバーを触った経験があったため、パーツの基本的な役割自体は知っているものが多かったです。
後半では、チームごとに1台のサーバーを解体しました。いざ実物を前にすると、普段お目にかかれないような高価なGPUや大量のメモリが配置されており、圧倒的なスケール感にテンションが上がりました。解体作業自体も新鮮で、各部品の配置が冷却やエアフローを意識した構造になっていることを確認しつつ、ほとんど工具を使わずにパーツを取り外せるメンテナンス性の高さに感動しました。
チームメンバーと「これどうやって外すの?」「ここ触って大丈夫?」などと賑やかに話しながら、精密機械を合法的に壊していくような感覚が楽しかったです。巡回する講師の方が都度解説を挟んでくれたことも、好奇心が刺激される良い体験となりました。


サーバーを元通りに組み立て直して研修は終了しました。普段の業務ではなかなか物理サーバーに触れる機会がないため、実際に自分の手で分解しながら構造を学べたことは貴重な経験でした。クラウド全盛の時代ですが、その裏側を支える物理サーバーの高度な設計思想を体感したことでインフラへの解像度が上がった回となりました。
■ 第7回:実践・ISUCON 練習問題への挑戦
第7回では、Webサービスのパフォーマンスチューニングコンテスト「ISUCON」の練習問題を用いた実戦形式の研修に挑戦しました。本ワークはこれまでに研修で修得してきたインフラや AI活用に関する知識、そして問題解決へのアプローチを総動員するまさに研修の総仕上げとなる場でした。
各自で取り組む個人戦という環境のなか、限られた時間でそれぞれがスコアアップを目指して全力を尽くしました。その過程では、最先端の AI技術を活用しながらより効率的なチューニング方法を模索しました。順位表で自分の順位が上下するたびに、より高い点数を目指したいというモチベーションが刺激され高い熱量で取り組むことができました。
テクノロジーの可能性を最大限に引き出すアプローチを追求した結果、弊社の社員が歴代の ISUCON 研修で最高得点を獲得できました。これは単に個人の開発スキルにとどまらず、高度なツールを巧みに使いこなす「次世代のエンジニア像」の重要性を証明するものであり、これまでの研修の成果が最高の形で実を結んだ瞬間となりました。

■ 総括
本研修はインフラの物理・論理構造から AI の高度な活用、そしてチームを駆動させる協働性に至るまで次世代エンジニアに不可欠なコアスキルを体系的に修得する極めて濃密な機会となりました。他社新卒の方々との交流は新鮮な気づきをもたらし、参加前よりもエンジニアとしての視野が大きく広がったと実感しています。
単なる技術知識の習得にとどまらず、激変する時代において今後プロとして成長し続けるための思考法や姿勢を学べたことが最大の収穫です。ここで得た知見を日々の実務に還元し、組織の成長と持続的な価値創造に貢献していきたいと思います。
最後に、この素晴らしい研修を実現してくださった日本CTO協会、並びにスポンサー企業の皆様に心より感謝申し上げます。今回多くの方々に支えていただいた経験を、将来的には次の世代の仲間を支える形で還元できるよう、日々の業務と自己研鑽に励んでいきます!
